
[ニューヨーク 15日 ロイター] - 15日のニューヨーク外為市場では、ウクライナ情勢をめぐる緊張が一段と高まったことで、ドルが安全通貨とみなされる円とスイスフランに対して売られた。
終盤の取引で、ドル/円JPY=は0.1%安の102.33円で推移。ドルは対スイスフランCHF=で3週間ぶり安値を更新し、終盤の取引では0.4%安の0.9028フランとなっている。
ドルは対ユーロEUR=でも下落し、0.2%安の1.3393ドルとなっている。ドル指数.DXYは0.2%低下の81.44。
ウクライナ大統領府はこの日、前夜にかけてウクライナ領内に入ったロシア軍の装甲車両をウクライナ軍が攻撃したことを、ポロシェンコ大統領が英国のキャメロン首相に報告したと発表。これに対しロシアは、ロシア軍は越境していないと主張。米国主導の北大西洋条約機構(NATO)による勢力拡大を非難するなど、対立は深まっている。
コモンウエルス・フォーリン・エクスチェンジの首席市場アナリスト、オマー・エジナー氏は、ウクライナ大統領府の発表を受け円とスイスフランに逃避買いが入ったとしている。
今週発表の米経済指標が全般的に軟調だったこともドル売り要因となっていた。ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は、「経済済指標が軟調だったことで、連邦準備理事会(FRB)が当面はゼロ金利政策を解除しないとの観測が裏づけられた」としている。
来週は、20日にFRBが7月29─30日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を発表、21─23日にはワイオミング州ジャクソンホールでカンザスシティー地区連銀主催のシンポジウムが開催されるなど、FRB関連のイベントが焦点となる。
ドル/円 終値 102.33/36
始値 102.63/64
前営業日終値 102.44/46
ユーロ/ドル 終値 1.3398/03
始値 1.3396/97
前営業日終値 1.3364/66